こんにちは、おもいびとの「やよい」と申します。
うたあわせプロジェクト第2回目の投稿になります!
第49首 大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ)921~991【詞花集】
『御垣守(みかきもり) 衛士(えじ)のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ』
今回はこちらの歌や作者の解説と、イラストの制作の様子をお届けします。
【歌の意味】
「宮中の御門を守る御垣守(みかきもり)である衛士(えじ)の燃やす篝火(かがりび)が、夜は燃えて昼は消えているように、私の心も夜は恋の炎に身を焦がし、昼は消えいるように物思いにふけり、と恋情に悩んでいます。」
作者の恋の胸の内を、門を守る兵士のたく篝火に例えており、なおかつ、“夜と昼”、“闇と炎”という色彩の対比が印象的な歌です。夜と炎の美しいコントラストと静謐な情景を描いた、とてもビジュアルで哲学的な雰囲気もある一首で、この対比こそ、この歌の真骨頂と考えても良いかもしれません。
【作者の解説】
百人一首にも歌がある伊勢大輔(いせのたいふ)の祖父で、三十六歌仙の一人。950年代に清原元輔、源順、紀時文(ときぶみ)、坂上望城(もちき)とともに「梨壺の五人」として活躍しました。「梨壺の五人」とは、宮中の撰和歌所で万葉集の訓読や後撰集の撰定に当たった和歌の学者たち5人を指す言葉。内裏後宮五舎のひとつで庭に梨の木のある「梨壺(昭陽舎)」に和歌所があったのでこう呼ばれました。
参考サイト:https://ogurasansou.jp.net/columns/hyakunin/2017/10/17/1214/
さて、以上の意味を踏まえてイラスト制作に取り組んでいるわけですが、
第一印象は、とても熱い歌だと感じました。
揺れる恋心や心情を、闇に浮かぶ炎で表現するという技巧にも驚きましたし、歌でその情景の美しさまで表現してしまうとは…。
燃えて消える炎をどのように形にするか苦悩しましたが、作者の気持ちや情景を思い浮かべ、「炎=感情・心」と捉え、揺れ動く心の中から燃える炎として表現することにしました。
他にも、見てくださる方々それぞれの解釈や感じ方で、この歌とイラストを楽しんでいただければと思います!
引き続き、令和版百人一首制作過程の様子をお楽しみくださいませ。
NFORCE Inc.
デザインフェスタ53
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