こんにちは、おもいびとの“やよい”です!
今週もどんどんご紹介していきます。
今回は、実際に歌合の場で詠まれた、浮気性な男性から贈られた歌への返歌です。
なんと歌を贈ったのは29歳の男性、詠んだ作者は70歳です…。
第72首 祐子内親王家紀伊(ゆうしないしんのうけのきい)生没年未詳【金葉和歌集】
『音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ』
【歌の解説】
噂に高い、高師(たかし)の浜にむなしく寄せ返す波にはかからないようにしておきましょう。袖が濡れては大変ですからね。(浮気者だと噂に高い、あなたの言葉なぞ、心にかけずにおきましょう。後で涙にくれて袖を濡らしてはいけませんから)
「金葉集」の詞書では、この歌は1102年5月に催された「堀川院艶書合(けそうぶみあわせ)」で詠まれたそうです。「艶書合」というのは、貴族が恋の歌を女房に贈り、それを受けた女房たちが返歌をするという洒落た趣向の歌会です。
ここで、70歳の紀伊に贈られたのが29歳の藤原俊忠の歌でした。
「人知れぬ思いありその浦風に波のよるこそ言はまほしけれ」 (私は人知れずあなたを思っています。荒磯(ありそ)の浦風に波が寄せるように、夜にあなたに話したいのですが)
「寄る」と「夜」「(思い)ありその」と「荒磯(ありそ)」を掛けた技巧的な歌ですが、これに対して答えたのが、紀伊の歌でした。
【作者の解説】
平経方(たいらのつねかた)の娘で、藤原重経(しげつね)の妻(妹という説も)。母親は後朱雀天皇の第一皇女・祐子内親王に仕えた小弁(こべん)で、紀伊自らも祐子内親王家に仕えました。紀伊の名前は、藤原重経が紀伊守だったところからきています。
【やよいからヒトコト】
真意については一切触れず、歌全体が比喩になっている点から、顔半分を扇で隠し、影のある雰囲気を持たせました。また、作者は当時70歳という年齢で、人生経験も豊富なところからみても、余裕のある大人らしい表情になるよう心がけています。
さらに今回はキャラクターの全体像が見えるデザイン画を載せてみました!
衣装に関しては、バランスを大切にしています。
最近は赤リップの強めのメイクや、コスメへの注目度が高まり、ファッションにも影響しているように感じます。そのため今回の衣装は、令和の流行ポイントを押さえつつ、扇などの小物や色味で平安の日本らしい要素を加えました。
わかりやすく年齢感を出すのではなく、キャラクターは若く、けれども表情や細かな点でほんのり大人らしさが香る程度にしています。その点で、白髪の混ざったようなグレー系の髪色にしたのも密かなポイントです。
デザインで今を変えたい。
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