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うたあわせプロジェクト vol.16 第3首 柿本人麿【拾遺集】

こんにちは、おもいびとの“しわす”です!


今回は、長い夜の寂しさを山鳥の長い尾で例えた、

百人一首の中で一番初めに出てくる恋の歌を紹介します。


第3首 柿本人麿(かきのもとひとまろ【拾遺集】


『あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 長々し夜を ひとりかも寝む』


歌の解説

山鳥の尾の、長く長く垂れ下がった尾っぽのように長い夜を(想い人にも逢えないで)独りさびしく寝ることだろうか。


秋の夜は長くて長くて時間を持て余し、考えるのはあの日出会った美しいあなたのことです。いったいあなたは今ごろ何を考えているのでしょう、山鳥の尾のように長い今夜もひとり寂しく眠るのでしょうか。というような意味になっています。


「秋の夜長」はずいぶん昔から日本人の共通概念だったようです。

昔からすでにこんな歌があったのですね、秋の夜長を表すのによく使われる恋歌です。

山鳥は日本の山にいる野鳥ですが、雄の尻尾が長いので、「長い」ことを表すのに使われます。また山鳥は、昼は雄雌一緒にいて、夜は別々に分かれて眠るという伝承があるので、ひとり寝を表す時にも使われます。



作者の解説

持統天皇の頃の宮廷歌人で、三十六歌仙の一人。下級官吏で710年ごろに石見国(現在の島根県益田市)で亡くなったといわれますが詳細は不明。万葉集の代表的歌人の一人で、長歌20首、短歌75首が収められています。枕詞・序詞などの修辞技法を駆使した雄大な長歌・短歌を残し、万葉時代最大の歌人で後世「歌の聖(うたのひじり)」と称されたそうです。

【しわすからヒトコト】

実はこの首は、うたあわせプロジェクトの私のイラストの中で一番初めに描いた歌です。


寂しいという気持ちをまっすぐに伝えてくるこの歌に私は「添い寝」と今にも泣いてしまうくらいの表情にしようと思いました。


歌中で山鳥の尾は夜の長さの比喩として用いられていますが、イラストにも生かしたいと思い、服や後ろ髪などで長さを感じられるように意識して描きました。

山鳥のいる自然の中や夜の暗さから寒色系の暗めの色を多用し、対照的に背景は山鳥を意識したオレンジ系にすることで、色相のコントラストをつけ画面がぼやけないようにしました。





デザインで今を変えたい。


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