恋歌 七歌人
「あんた、歌の才能ないんじゃないか」
「…なんだよ、それ」
恋歌七歌人
藤原定家
ふじわらのていか
97首
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
焼くや藻塩の 身もこがれつつ
天才肌のイケメン一匹狼
百人一首を編纂した張本人。父は千載和歌集を撰進した藤原俊成で、幼少期から歌を習っていた。歌人ながら血の気が多く、頑固でまっすぐな性格のため他人の意見を聞き入れるのが苦手。独自の美徳を持って幻想的な歌を好む。89・式子内親王とは恋仲であるとの噂も…?
式子内親王
しきしないしんのう
89首
玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
忍ぶることの よわりもぞする
後白河上皇の娘。品があり純粋で芯のある性格だが、内向的な一面もある。自由な恋愛ができなかったものの、歌の世界で才能を開花させた。97・定家の父、藤原俊成から歌の指導を受けており、定家とは交流があった。
歌に生きた生涯独身の皇女
「お前の話を聞かせておくれ」
「大丈夫…これでいいんだ…」
「みんなには内緒ね?」
「もう少しだけ、幸せに浸らせて…」
藤原義孝
ふじわらのよしたか
50首
君がため 惜しからざりし 命さへ
ながくもがなと 思ひけるかな
短命の心優しい美男子
45・藤原伊尹の息子で藤原行成の父。21歳の若さで亡くなった。容姿も仕草もとにかく美しく、信心深く心優しい性格。純粋でロマンチックなところが歌にも表れている。実は自分の短命を予感していたらしい…?いつも近くに蝶々がいる。
藤原兼輔
ふじわらのかねすけ
27首
みかの原 わきて流るる 泉川
いつ見きとてか 恋しかるらむ
歌や管弦などそつなくこなすタイプで、面倒見が良くいつも輪の中心にいる。よく歌壇の中心人物が家に集い互いの歌を高め合っているとか。
藤原定方は4歳上の従兄弟で、幼い頃から仲がよく互いを尊敬する仲。実は紫式部のひいおじいちゃん。
人当たりも面倒見も良いお兄ちゃん
「やぁ、最近はどう?元気?」
「困った時はお互い様ってね」
「生優しいことなんて私は言いませんよ」
「そのままのあなたで良いんです」
和泉式部
いずみしきぶ
56首
あらざらむ この世の外の 思ひ出に
今ひとたびの 逢ふこともがな
スキャンダル連発の女流歌人
紫式部や清少納言と並んだ女流歌人。小式部内侍を娘にもつ。正直であたたかい性格で、包容力が高く、魅力的がゆえ恋に悩まされている。そこまで歌の知識はないが、即興の文才に優れている天才型。紫式部とは交流があり、紫式部日記にも書かれるほど。
柿本人麻呂
かきのもとのひとまろ
3首
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の
長々し夜を ひとりかも寝む
歌聖と呼ばれた謎多きマイペース歌人
さまざまな噂があるが本当のことは謎に包まれた歌人。
その歌の腕前からたくさんの歌詠みが彼を崇拝したため、いつしか歌聖と呼ばれるようになったが、本人はあまり気にしていない様子。
変わらない柔らかい表情は何を考えてるかわからないと言われることも。いつも一緒の山鳥は大事な友達。一途で愛妻家な一面もあるとか。
「君も寂しいの…?」
「僕はいま桃を食べてるから後で行くよぉ〜」
「…どうだろうか?」
「すまない、そんなつもりはなかったんだが…」
壬生忠岑
みぶのただみね
30首
有明の つれなく見えし 別れより
暁ばかり 憂きものはなし
真面目に遊ぶ幅の広い実力派歌人
仕事にも恋にも真面目だが、イマイチうまくいかない事が多々。
そのため嘆きの歌も多いが、彼の歌の中には藤原定家や俊成など名だたる歌人が秀歌だと大絶賛する歌もある。と思えば遊びの効いた歌などもある。
紀貫之とは互いを励まし合うような友人関係で、在原業平と並ぶ恋の名人なんて噂もあるとか…?
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